参考書籍: 【 限りある時間の使い方 オリバー・バークマン カンキ出版 】
なぜ、いつも時間に追われるのか
問題は、時間が限られていることではない。
本当の問題は、「限られた時間をどう使うか」
自分の時間は、あまりにも短い。
その事実を直視するのは怖いことだ。
やりたい事を全部やる時間はない。さらに、限られた時間の使い方さえも自分ではコントロールできない。
すべてを完璧にこなせる人なんていない。体力や才能、その他のいろいろなリソースが足りない。
そんな現実を直視したくないから、私たちは全力で現実を回避する。
急げば急ぐほど、時間のかかる仕事にイライラする。
計画を完璧にこなそうとすればするほど、小さな不確定要素への恐怖が高まる。
時間を自分の自由に使おうとすればするほど、人生は孤独になっていく。
時間と戦っても勝ち目はない
なぜ、やりたい事をやりたくないのか
なぜ、僕たちは、自分が本当にやりたくないと思っていることに集中できないのだろう。
なぜやりたいことをやらずに、やりたくもない気晴らしに逃げ込んでしまうのか?
この不可解な現象の答えは、僕たちの有限性にある。
僕たちが気晴らしに屈するのは、自分の有限性に直面するのを避けるためだ。
つまり、時間が限られているという現実や、限られた時間をコントロールできないという不安を、できるだけ見ないようにしているからだ。
重要なことに取り込むとき、ぼくたちは自分の限界を痛感する。思い入れが強いからこそ、完璧にできないことがもどかしい。
人が注意力散漫になるときに、本当は何が起こっているのか?
それは、目の前の苦痛から逃れるために、気をまぎらわせてくれる何かをさがしているのだ。
例えば、仕事中についSNSを見てしまうのも、そのためだ。
有限性を受け入れるための10のツール
本書では、人生の時間が限られていること、さらにそのなかの限られた範囲しか自分ではコントロールできないということ。
それが真実だからというだけではなく、その真実を受け入れた方が、ずっと豊かに生きられるからだ。
現実をありのままを受け止めれば、大事なことをより多く成し遂げ、大きな充実感を手に入れられることが出来る。
実用的な10のテクニック
- 「解放」と「固定」のリストを作る
- 先延ばし状態に耐える
- 失敗すべきことを決める
- できなかったことではなく、できたことを意識する
- 配慮の対象を絞り込む
- 退屈で、機能の少ないデバイスを使う
- ありふれたものに新しさを見出す
- 人間関係に好奇心を取り入れる
- 親切の反射神経を身につける
- 何もしない練習をする
自分の4000週間を有意義に過ごすためにには、「何もしない」能力が欠かせない
何もしないことに耐えられない場合、単に「何かしないと気が済まない」という理由で、間違った時間の使い方を選んでしまいがちだ。
「何もしない」練習というのは、
本当に何もしないのではなく、「周囲の人や出来事に干渉したい」という欲求を抑える練習だと思ってほしい。
何もしないことができる人は、自分の時間を自分のために使える人だ。
現実逃避のために何かをするのは、もうやめよう。
終わりに
本書「限りある時間の使い方」は非常に読みごたえのある本でした。
80歳ぐらい生きたとしたら、4000週間しかなく、あまりにも短く感じましたね。
本書は、時間をできるだけ有効に使うための本であって、いわゆるタイムマネジメント本ではない。
効率を上げれば上げるほど、ますます忙しくなる。タスクをすばやく片付ければ片づけほど、ますます多くのタスクが積みあがる。
そして、メールの洪水が収まり、やることリストの増殖が止まり、仕事でも家族でもみんなの期待に応え、完璧に効率化された自分が、ついに人生でやるべきことをやりはじめる・・・
認めよう。そんな日は、いつまで待っても、やってこない。
本書、冒頭での一文。
あらためて、時間の使い方を勉強するのもいいものですよ。
旅する投資家。