ロードバイク 初心者ロード、世界が広がるまで

「まだ大丈夫」が止めた京都への道|ハンガーノックで学んだ初心者ロードの現実

「まだ大丈夫」が止めた京都への道|ハンガーノックで学んだ初心者ロードの現実

✅ 結論|この記事で分かること

  • ハンガーノックとは体内グリコーゲン枯渇による低血糖状態
  • 約40km・約3時間のライド中に発生
  • 予兆は「脚が急に止まる」「冷や汗」「集中力低下」
  • 30〜40分ごとの補給で予防できる
  • 「まだ大丈夫」という心理が最大の原因

🌱 プロローグ|「まだ大丈夫」京都の手前で、身体が止まった

この日は京都を目指していた。

前回、30kmを走れたことで、
「もう少し先へ行けるかもしれない」と思えた日だった。

距離にして約50km。
時間は約3時間ほどの予定。

※本記事は大阪〜京都方面への実走体験(片道約50km・約3時間)をもとに書いています。

朝は軽めに食べた。
トーストとコーヒー。
バナナかヨーグルトもあった…気がする。

「これくらいで大丈夫だろう」

今思えば、
この“なんとなく”がすべての始まりだった。

🌤 途中までは順調だった

淀川沿いを抜け、
京都方面へ。

脚は少し重いけど、走れている。

正直、疲れは感じていた。

でも思う。

「まだ大丈夫」

補給は後でいい。
そうやって、先延ばしにした。

これが、分岐点だった。

京都に向かう途中、
ゆるやかな上りに差しかかった頃だった。

それまでは疲れながらも、
普通に踏めていた。

ところが――

突然、脚に力が入らなくなった。

ペダルが回らない。
踏もうとしても進まない。

止まっても戻らない。
深呼吸しても楽にならない。

頭がぼんやりして、
気持ちが一気に落ちていく。

このとき、ようやく気づいた。

(あ、これ…ただの疲れじゃない)


走りながら、体の中では
エネルギーが底をついていた。

人の体に蓄えられる糖質は多くない。
およそ300〜500gほど。

長時間走れば、
補給しない限り必ず尽きる。

だから“突然”落ちる。

【定義】ハンガーノックとは、長時間の運動により体内の糖質(グリコーゲン)が枯渇し、血糖値が急激に低下することで、突然の脱力や思考力低下が起こる状態を指す。
補給を行わない限り改善しにくく、補給を先延ばしにしがちな初心者ライドで発生しやすい。

すでに持っていた補給食は食べきっていた。

周囲を見渡しても、
飲食店もコンビニもない。

とにかくコンビニを探しました。

「頼む、どこかに…」


祈るようにペダルを回した。


ようやく見つけたその外観を見た瞬間、脚の力がふっと抜けた。
緊張がほどけて、サドルに沈み込む。


たった一軒の店が、オアシスに見えた。

あのまま進んでいたら、
もっと危険だったと思う。

振り返って分かった原因ははっきりしている。

・朝食が軽めだった
・約3時間補給をしていなかった
・「まだ大丈夫」を繰り返していた

エネルギー切れの条件が、
すべてそろっていた。

ハンガーノックとは

「ハンガーノック」を一言で言うと、**「体内のエネルギー(糖質)が底をつき、体が動かなくなる状態」**のことです。

車に例えると完全に**「ガス欠」**の状態ですね。主にマラソンやロードバイクなどの長時間にわたる有酸素運動中に起こります。

「何km走ったか」ではなく、
どれだけの時間・強度で糖質を消費したかで起きる。

体内に蓄えられるグリコーゲンは約300〜500g。

強度が高いほど、消費は速い。

つまり、

  • 2〜3時間の運動
  • 補給不足
  • やや高めの強度

が重なると、距離に関係なく起こる。

なぜ起こるのか?

私たちの体は、運動のエネルギー源として「糖質(グリコーゲン)」と「脂質」を使います。

  1. 糖質の貯蔵量には限界がある: 脂質は体脂肪として大量に蓄えられていますが、糖質は筋肉や肝臓にわずかしか蓄えられません。
  2. 脳は糖質しか使えない: 脳のエネルギー源は主に糖質(ブドウ糖)です。
  3. シャットダウン: 運動で糖質を使い切ると、脳が「これ以上動くと危険だ」と判断し、筋肉への指令を止めてしまいます。

⚠ こんな兆候が出たら要注意

特に初心者のうちは、
これをただの疲労だと勘違いしがちです。

私もそうでした。

でも、もし走っていて次のような症状が出たら要注意です。

・急に力が入らなくなる
・ぼーっとする
・気持ちが一気に落ちる
・めまい、冷や汗っぽさ

感じたら止まって補給。

無理して踏み続けない。

これを感じたら、
まず止まって補給してください。

🍫 ハンガーノックを防ぐために

結論はシンプル。

補給を摂る。それに尽きる。

目安は、

🕒 30〜40分ごとに少しずつ

空腹を待たない。

コンビニなら、

・おにぎり
・バナナ
・ようかん
・エネルギーゼリー
・チョコ

糖質が多く、すぐ食べられるものが基本だ。

基準は「糖質が取りやすく、すぐ食べられる」。
飲み物だけで粘らず、食べ物+水分が安心。

※ダイエット中でも、ライド中は“削りすぎない”。安全が優先。

❓ よくある質問|ハンガーノック編

Q1. ハンガーノックはどのくらい走ると起きますか?

個人差はありますが、正確には距離ではなく、

  • 運動時間(2〜3時間以上)
  • 運動強度
  • 補給状況
  • 30〜50km前後で起こるケースが多い
  • 登坂や高強度では20〜30kmでも起き得る

Q2. 疲労との違いは何ですか?

疲労はペースを落としたり休憩すると落ち着くことがあります。
ハンガーノックはエネルギー不足が原因のため、休むだけでは回復しにくいのが特徴です。
補給(糖質)を摂らない限り改善しにくい点が大きな違いです。

Q3. 予兆はありますか?

あります。

・急に力が入らなくなる
・頭がぼーっとする
・気持ちが一気に落ちる
・冷や汗のような感覚

これらを感じたら、まず止まって補給を検討してください。

Q4. どのくらいの頻度で補給すればいいですか?

目安は30〜40分ごとに少しずつ。
空腹を感じる前に入れるのがポイントです。

Q5. 途中で引き返すのは失敗ですか?

いいえ。
安全に帰る判断は失敗ではありません。
続けるための選択です。

🧾 この記事のまとめ

  • ハンガーノックは糖質不足で“突然”落ちる
  • 初期は疲労と勘違いしやすい
  • 回復には補給が必要(休むだけでは戻りにくい)
  • 30〜40分ごとに少し補給が目安
  • コンビニが無い前提で携帯するのが安心
  • 引き返す判断は失敗ではなく成長

帰り道、空は静かだった。

悔しさより、
理解のほうが残った。

ハンガーノックは
特別な現象ではない。

エネルギー切れという、
単純で確実な結果。

2〜3時間を越える運動では、
誰にでも起こる。

距離は目安。
本質は時間。

次は、同じ失敗をしない。

それだけで、
この失敗には意味があった。

次回予告

▶ 次章へ

ハンガーノックで、
“身体の燃料”を学んだ。

次にぶつかったのは、
“心の燃料”。

向かい風は、
体力よりも精神を削る。

ペダルは回っているのに、
前に進まない。

あのとき初めて、
距離ではなく“気持ち”が折れそうになった。

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