ロードバイクに乗り始めたころ、少しずつ距離を伸ばせるようになるのが嬉しくて、10km、20kmと走る範囲を広げていました。
ところが、50kmほどの距離を走った日は、後半に入るころから少しずつ脚が重くなりました。行きはまだ余裕があったはずなのに、帰りを意識し始めるころには、残りの距離まで長く感じる。あのときは「自分には体力が足りないのかもしれない」と考えていました。
その後も走るうちに分かってきたのは、距離そのものより、最初からどれくらい力を使うかで後半の余裕が大きく変わることでした。
今では、速さよりも「まだ普通に話せるくらいか」をひとつの目安にしています。この記事では、私自身が帰り道で苦しくなった経験をもとに、長く走るためのペースの考え方を整理します。
走り出しが軽いときほど、最初の10kmを抑える

ロードバイクは、走り始めると想像以上に軽く進みます。脚もまだ疲れていないので、「今日は調子がいい」「もう少し速く走れそう」と感じやすい時間でもあります。
私が50kmほどの距離を走ったときも、序盤は脚に余裕があり、ペダルも軽く感じていました。ところが距離を重ねて後半に入るころには、少しずつ脚が重くなり、行きには気にならなかった残りの距離まで長く感じるようになりました。
それからは、長めの距離を走るときほど、序盤でペースを上げすぎないようにしています。走り始めに余裕があっても、その感覚のまま踏み続けるのではなく、少し抑えて走る。そうすることで、後半まで脚に余裕を残しやすくなりました。
今では「今日は調子がいい」と感じるときほど、最初から飛ばしすぎないよう意識しています。行きだけではなく、帰りまで含めてひとつのライド。後半も気持ちよく走るためのペース配分は、走り始めから意識するようになりました。
帰り道は、なぜ急にしんどく感じるのか
帰り道で脚が重くなると、「さっきまで普通に走れていたのに」と不思議に感じることがあります。私も50kmほど走ったとき、行きには気にならなかった疲れが、後半になるにつれてはっきりと出てきました。
振り返ってみると、しんどさが突然始まったというより、それまでに使ってきた脚の疲れが少しずつ積み重なっていたのだと思います。そこに向かい風や坂道、信号からの再加速などが重なると、同じように走っているつもりでも、行きよりペダルが重く感じます。
さらに帰り道では、「あと何kmある」という残りの距離も意識するようになります。脚の疲れだけでなく、まだ家まで走らなければならないという気持ちも重なり、急にしんどくなったように感じていました。
だから今は、帰り道で苦しくなってからペースを落とすのではなく、その前に余裕を残すことを意識しています。そのときの目安にしているのが、次に紹介する「会話できるペース」です。
心拍計がなくても分かる。「会話できるペース」をひとつの目安に

ペースを抑えるといっても、「では、どのくらいで走ればいいのか」は分かりにくいところです。時速だけを基準にすると、向かい風や坂道、その日の体調によって同じ速度でも負担は変わります。
そこで私が目安にしているのが、「このまま普通に会話できるくらいか」という感覚です。少し呼吸は弾んでいても、短い会話なら無理なく続けられる。そのくらいの余裕が残っていれば、必要以上にペースを上げていないかを自分で確かめやすくなります。
運動強度を見る方法にも「トークテスト」という考え方があり、会話はできても歌うのは難しい程度が、ひとつの目安とされています。心拍計がなくても、自分の呼吸や身体の感覚から強度を確認できる方法です。
私も速度の数字ばかりを見るのではなく、呼吸に余裕があるかを意識するようになりました。向かい風や坂道で息が上がってきたら、ギアを軽くしたり、少しペースを落としたりする。速度を維持することより、帰り道まで余裕を残すことを優先しています。
「何km/hで走るか」ではなく、「今の自分に余裕があるか」。ソロライドでは、この感覚の方がその日の体調や道路状況に合わせやすく、私にとっては分かりやすいペースの基準になっています。
しんどさを貯めないために、道中で意識したいこと

長めの距離を走っていると、ずっと同じ条件では進めません。坂道があったり、向かい風になったり、思ったより速度が出ない区間もあります。
そんなときに無理をして速度を保とうとすると、その場では走れていても、あとから脚の重さにつながります。帰りまで余裕を残すなら、道路や風の状況に合わせて走り方を変える方が楽です。
坂道と向かい風では、速度を追わない
坂道や向かい風では、平地と同じ速度で走ろうとしないようにします。必要なら早めにギアを軽くして、速度が落ちても気にしない。サイクルコンピューターの数字より、無理なくペダルを回せているかを優先します。
特に向かい風は、頑張っても思うように速度が上がらないことがあります。そこで風に逆らって踏み続けるより、「今日はこのくらいでいい」と速度を手放した方が、後半に余裕を残せます。
平地で遅れを取り戻そうとしない
坂道や向かい風を抜けて平地に戻ると、今度は一気に速度を上げたくなります。けれど、そこで「さっき遅かった分を取り戻そう」と踏み直すと、休めるはずの区間でも脚を使うことになります。
平地に戻ったら、まず呼吸と脚を落ち着かせる。速く走れる場所をすべて速く走るのではなく、楽に進める区間をうまく使うことも、長い距離を走るときのペース配分だと考えています。
ペース配分が変わると、帰り道の余裕も変わった
以前は、走れるうちに走っておこうという気持ちが強く、序盤から自然とペースが上がっていました。向かい風や坂道でも速度が落ちるのが気になり、平地に戻ればまた踏み直す。そうしているうちに、帰り道で脚が重くなることが何度もありました。
今は、最初から少し余裕を残し、呼吸が苦しくなればペースを落とします。坂や向かい風では速度を追わず、平地に戻っても急いで取り返そうとしない。以前より速さを意識しなくなったぶん、後半まで落ち着いて走れることが増えました。
ペース配分を意識するようになって変わったのは、脚の疲れ方だけではありません。「帰りまで走れるだろうか」という不安も以前ほど大きくならなくなりました。
速く走ることより、最後まで自分のペースを崩さないこと。ソロライドでは、その方が私には安心して距離を伸ばせる走り方でした。
FAQ

他のロードバイクに抜かされると、ついペースを上げたくなります
私も前を走る人や、追い抜いていくロードバイクが気になることはあります。ただ、そこで相手のペースに合わせてしまうと、自分が予定していた走り方まで崩れてしまいます。
誰かに抜かれても、その人と自分では走る距離も体力も目的も違います。ソロライドでは、周りの速度より「帰りまで余裕を残せているか」を基準にするようにしています。
「会話できるペース」でも、途中でしんどくなったらどうする?
無理にそのペースを維持する必要はありません。脚が重い、呼吸が落ち着かないと感じたら、まず速度を落とし、それでもつらければ一度止まって休みます。
長い距離では、ペースだけでなく水分や補給も影響します。私は「まだ走れるから」と我慢するより、早めに休憩を入れる方が、その後も落ち着いて走れるようになりました。
まとめ|帰り道まで余裕を残せるペースで走る
以前の私は、走り始めに調子がいいと、そのままペースを上げてしまうことがありました。けれど、距離が伸びるほど、その頑張りが帰り道の脚に残ります。
今は、序盤から少し余裕を持ち、「まだ普通に会話できるくらいか」をひとつの目安にしています。坂道や向かい風では速度を追わず、疲れを感じたら早めにペースを落とす。それだけでも、後半の余裕はずいぶん変わりました。
速く走れたかより、帰ってきたときに「今日も気持ちよく走れた」と思えること。次のライドでは、まず走り始めの10kmだけでも少し抑えて、帰り道の脚がどう変わるか確かめてみてください。
ソロ活忍者
次回予告
次は、走るペースではなく「どんな道を選ぶか」の話です。
最短ルートが、必ずしも走りやすいとは限りません。信号の少ない道、交通量の少ない道、途中で休める場所がある道――実際に走る中で分かってきた、安心して距離を伸ばせるルートの考え方をまとめています。
次回:速い道より、好きな道。ロードバイク初心者が安心して走れるルートの探し方
あなたのソロライドが、ただの「移動」から「冒険」に変わります。
